「白石温麺(しろいしうーめん)」と「つりがね印」の由来
その昔、孝行息子が油を使わない麺の製法を教わり胃病の父に食べさせ病が全快。
その話が伝わり、息子の温情を讃え、白石の「温麺(うーめん)」と名付けられました。
吉見家は片倉小十郎の家臣として長い間仕えたことから、
片倉家の旗印である「つりがね」を商標としてお許しいただきました。
このつりがね印には「天下に鳴り響くように」との願いがこめられています。
今から四百年ほど前、伊達藩白石城下に鈴木味右衛門という人がおりました。
父が胃を病んで床に伏し何日も絶食しなければなりませんでした。親思いの味右衛門は大変心配して、
何か良い食餌療法はないかと八方手を尽くしたところ、たまたま旅の僧から油を一切使わない麺の製法を耳にし、
これを作って温め父に勧めたところ、胃病は日ならずして快方に向かい、やがて全快したということです。
油を使わないで作る麺は胃にやさしく消化も良いので回復を早めたのでしょう。
白石城の片倉小十郎公は、前記の孝行話の「温かい思いやりの心」を称え、
その麺を「温麺(うーめん)」と名付け、地場産品として奨励しました。
この油を使わない伝統的製法は、その後秋田県稲川町に伝わり稲庭うどんとなったとも言われております。
約四百年の伝統を受け継ぐ宮城・白石の特産品。関西で盛んな手延べ素麺と違い「油を使わない手延製法」を忠実に受け継ぎ、
一本一本丁寧に延ばし仕上げた伝統の逸品です(手延白石温麺に限る)。
麺の長さは9センチと短いのが特徴で、小さな鍋でも楽に茹でられ、食べやすい(つゆハネが少ない)と好評です。
さらに、干した麺(乾麺)は極めて自然な原料(小麦粉と塩)で作られ、常温での保存性もよく、
いつでも好きな時に安心して食べられる、保存料や添加物を一切必要としない長い伝統が証明する安全な食品でもあります。
また通常の素麺より一回り太く、麺の味をしっかり感じることができます。
温めても冷やしでも、メイン料理でもサブ料理でも、小さなお子様からご年配の方々まで、 一年中を通じ食卓を楽しく賑わせます。
「うーめん(白石温麺)」は麺の分類上は「そうめん」類になります。
麺は先ず太さによって、そうめん、ひやむぎ、うどんに大別され、
製法によって、手延べそうめん、手延べうどん等に分けられます。
ただし、通常そうめん(特に手延べそうめん)は食用油を使用して麺を延ばしますが、
「うーめん」はこの油を使用せずに作られます(手延べの場合でんぷんを使用します)。
また9cmという短さも、他のそうめんには無い特徴で、茹でやすく食べやすいと好評です。
離乳食や、介護食として利用する方もおります。
きちみ製麺の商標「つりがね印」は吉見家(現社長が15代)先祖が白石城主片倉小十郎公の家臣を代々に渡って務めた関わりから、
片倉家の由緒ある旗印「黒つりがね」を使用することをお許し頂き、改めて商標用のデザインをして登録したものです。
大阪城夏の陣の戦いにも遥か白石よりこの黒つりがねの大旗を持って伊達の先陣を務める二代目片倉小十郎の姿が屏風絵に描かれています。
このつりがねには、名声が天下に鳴り響くようにとの願いが込められています。